予想のためのデータは細かく比較・検討
出走馬の過去の成績を見る際、単純に着順の良し悪しだけで強さを判断することはできません。どんな馬と戦ってきたか、相手関係も重要です。弱い馬に大差をつけて勝ってきた馬と、強い馬と戦って惜敗した馬、どちらが今回のレースで有力なのか、各レースのメンバー構成まで考慮する必要があります。
また前走では不得意な距離のレースに臨んだ馬が、今回、得意な距離で成績をアップさせるかもしれません。前走は長期休養明けで仕上がりがいまひとつ、“ひと叩き”された今回はコンディション上昇、ということもあります。こうした“変わり身”にも気をつけるべきです。
各馬の走破タイムにも要注意です。コース、馬場状態、レース展開によってタイムの出やすさは異なるため、単純にタイムだけを見比べて「こちらの馬の方が速い」と判断するのは早計です。調教タイムも同様。調教コースによってタイムは異なりますし、調教タイムの良さが結果に結びつく馬もいれば、タイムが平凡でも実戦でしっかりと走る馬もいます。
意識したいのは「タテとヨコの比較」。出走馬の成績をチェックする場合、着順が良かった時の距離やコース、その時マークしたタイムの価値、乗っていた騎手、馬体重、ローテーション、調教の様子などを調べ、「では今回、どれくらいの走りを期待できるか」と考えるのがタテの比較。その推測をもとに「Aの馬とBの馬、どちらが有力か」と検討するのがヨコの比較です。
データの取捨選択も重要です。競馬の予想に使えるデータはあまりに多く、すべてを分析・比較・検討するのは困難。レースの性質や出走メンバーの顔触れに応じて「このデータを重視しよう」とメリハリをつけることも大切になります。